人口減少を語るときに必ず出てくる「合計特殊出生率」とは

合計特殊出生率

合計特殊出生率は「15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」と説明されます。

メディア等で使用される出生率という単語は、この合計特殊出生率を指しているのですが、これは「夫婦がもつ平均の子どもの数」と思っていませんか? 私もそう思っていましたが、実はそうではないとのこと。

出生率は、その時代に生きる「全女性」が結婚の有無に関係なく、生涯に持つであろう1人当たりの子どもの数を表す予想平均値、つまり女性1人当たり指標である。

具体的な計算方法は、15歳から49歳のそのエリアに居住する全女性を対象に、1歳ごとに

(X歳の女性の出生数)/(X歳の女性数)=X歳の出生率

を計算し、15歳から49歳まで足しあげることで算出する。

出生率は計算構造上「既婚女性と未婚女性の人数の割合によって大きな影響を受ける」ことがわかります。

出生率は、
 (1) 未婚女性の割合
 (2) 既婚女性あたりの出生数
の2要因に影響される。

詳しくは、【参考】の記事を参照していただきたいですが、
夫婦あたりの子どもの数は半世紀前の約9割水準をいまだに維持しているのに、出生数は4割水準にまで落ち込んでいる状況であるので、日本の出生数激減、すなわち深刻な少子化の主因は「婚姻数の激減」、いわゆる出生率の低下要因の①の未婚化であることが明確である
ということなのです。

昔は、結婚して当たり前という社会状況がありましたが、今日ではそんなことはありません。若者が結婚したいと思えるような「家族観」の醸成などが必要なのでしょうが、これこそ一朝一夕の対応策は難しいと感じます。

今日は、統計特殊出生率を解説している興味深い記事をみつけたので、一緒に読み解いてみました。

【参考】
【少子化社会データ詳説】日本の人口減を正しく読み解く-合計特殊出生率への誤解が招く止まらぬ少子化